口腔ケア 水の話 加齢に伴う変化
栄養と食事
 高齢者、特に70歳を過ぎると、低栄養(栄養不足)が原因で起こる筋肉や体力の衰え、やせ過ぎの心配が増えてきます。食事のバランスと質を考えて食生活を見直し、健康的な生活を送りましょう。
 現在、病気等で医師や栄養士の食事指導を受けている人は、指導の元に食事を摂りましょう。
  1. バランスと質のよい食事
  2. やせ過ぎは危険信号(低栄養)
  3. 楽しく食べよう 〜食べる楽しみ〜

バランスと質のよい食事

  高齢者の食事で考えなければならないのは、

1 たんぱく質はしっかり摂る
魚、肉、卵、大豆、大豆製品に含まれるたんぱく質は体(骨や筋肉)を作リ、エネルギー源となり、唯一、若い頃と同じだけの量を摂取しなければならない栄養素。生命維持に欠かせません。   低栄養(栄養不足)

2 食品数を増やそう
副菜で工夫/カルシウム(牛乳、小魚)、鉄(きのこ、海草類)、ビタミンA(にんじん、かぼちゃ)・B1(肉、穀類)等を献立の中に取入れましょう。
※食事バランスガイド参照。

3 一日3回、規則正しい食事
食事は規則正しく食べることが基本。

  1. 規則正しく食べると生体機能のリズムが整えられる
  2. 朝食(たんぱく源を含む)は交感神経を刺激し、元気に活動が始められる
  3. 昼ご飯を重く、夜は軽めにすると副交感神経が活動しやすくなる
  4. 一日3回の食事の時間は、食生活を見直すチャンスになる
食事バランスガイド(厚生労働省/農林水産省決定)を参考に1日の献立を考えましょう。
食事バランスガイド
食事イラスト

 

やせ過ぎは危険信号(低栄養)

 今は元気にしていても、高齢になると、低栄養から来るやせ過ぎが心配されます。高齢になってからのやせはどうしていけないのでしょうか。低栄養とは、小食や偏食などから気付かぬうちに栄養不足に陥りやすくなることをいいます。特に注意したいのが、たんぱく質とエネルギーの不足です。

※高齢者がやせてきたなと感じたら医師に相談しましょう。

高齢者になってからの痩せ

低栄養になる理由

たんぱく質/エネルギー摂取の工夫をしよう!

心臓病死亡の相対危険度

 

楽しく食べよう 〜食べる楽しみ〜

 高齢になっても、食事の時間が楽しみ、食事がおいしい、となるようにしたいものです。いつまでも活動的で健康に暮らすために、食べられる体制を整えて、家族と一緒に楽しく食卓を囲みましょう。  おいしく食べるための口腔ケア

食事が楽しくなる構図

楽しい食事

体の栄養状態と体力低下の関係

 

おいしく食べるための工夫
 いつまでも家族と同じ食事を食べることが理想的ですが、高齢になると色々な機能が低下し、食生活にも様々な影響をおよぼします。可能な限り家族と同じメニューで、高齢者が食べやすい工夫をしてみましょう。
 大切なのは、現在の健康状態を考えながら、よりよい食事をよりよい形でおいしく食べることです。
  1. 食べやすい、飲み込みやすい食事の工夫
  2. おいしく食べるには
       食欲不振(食べたいという動機づけ)
       自助具の利用
  3. 介護している方のために

食べやすい、飲み込みやすい食事の工夫

 普通の食事が今までのように噛めない飲み込めなくなっても、できるだけ食べやすく工夫して家族と同じ献立を楽しみましょう。

 ただし、嚥下障害が疑われる時は医師に相談しましょう。


食べやすい、飲み込みやすい食事の工夫

 

おいしく食べるには

 食事は生命維持のためのものですが、楽しみでもあるはずなのに、高齢になるとなかなか食欲がわかないということもあります。

 なぜ食欲がないのか、それぞれの食の問題点や原因などを考えてみましょう。

食欲不振の解決法

 食欲不振の理由は個人個人によって違います。その原因を探って、下記の方法を試みてください。

    • 食べたくなるまで待つ
        →無理をせず、運動をしたり、好きなことをやって、
          食べたくなるまで待つ
    • 好きなものを食べる
        →好きなものは食べられる方が多いもの
    • 食事のマンネリ化を打破
        →出前をとる/レストランへ行く/友人と会食/
          お弁当を持ってミニピクニック等をする

 

メモ

食欲不振の3つの注意

 

1. 手が上手く使えない
  自助具の利用
2. 飲み込みが上手く行かない
  食べやすい、飲み込みやすい食事の工夫
3. 病気の前兆や生きる気力をなくしている場合もあるので要注意!

 

 

自助具の利用

    • 食事は自分で食べるのが一番。いろいろな自助具を利用して、自分で食べられるようにしましょう。

自助具の利用

介護している方のために

 365日、一日3回の食事作りは介護する人にとってはかなりの負担です。たまにはお昼等を簡単にすますこともお勧めです。
  1. 配食サービス
    普通食や普通食にほんのちょっと手を加えるだけで食べられる方向き。1週間に1度、2度、一日何回、というように定期的に食事を作らない時を定めて利用する。
  2. 市販の介護食
    固いものが食べにくくなり、食材の大きさや柔らかさに工夫が必要な方に。おかずを総て市販の介護食品にすることもできますが、おかずの1品だけを介護食品にするというほうが利用しやすい。
  3. 簡単なものに
    特にお昼ご飯を簡単にする方法。毎日3度の食事をきちんと摂っている方向き。例えば、カステラ、ミルクテイー、バナナ、ヨーグルト等。

 固いものが食べにくくなり、食材の大きさや柔らかさに工夫が必要な方に。

   介護食(ユニバーサルデザインフード)

 

 

コラム

その他の栄養摂取の方法
 経腸栄養という言葉を聞いたことはありますか。どうしても口から食事ができない、食事だけでは到底栄養が足りない、という時に利用する栄養摂取方法です。高カロリー、高たんぱくの濃度流動食を管(チューブ)で胃まで送り込むので、経管栄養とも呼ばれています。

  1. 鼻腔経管栄養
    鼻から管を胃まで入れて、濃度流動食を流し込みます。常に食道に管が入ったままの状態なので、口から食べることはほとんどできません。
  2. 胃瘻(いろう)
    お腹に穴を開けて胃に直接管を差し込んで、濃度流動食を流し込む方法です。お腹と胃に穴を開けるので、簡単な手術が必要です。口から食べ物を摂取することもできます。

胃瘻(ろう)

 

 食事はできるだけ、最後まで口から食事を摂ってほしいものです。医師と相談をして決めましょう。
 ※濃度流動食(経腸栄養)にはいろいろな味がついており、飲むこともできます。

 

「ユニバーサルデザインフード」
 ユニバーサルデザインフード(UDF)は、固いものが食べにくい方や、食事の大きさや柔らかさに工夫が必要な方のために作られた加工食品で、「かたさ」「粘度」に応じて4段階の区分に分かれています。
区分表

 

 

栄養と食事/食事介助
 高齢になって体力が落ちたり、病気のためにマヒ等が障害として残り、自分では食べることができなくなると、介助が必要になります。食事を介助する時は常に目線は同じ高さと覚えてください。
  1. 食事の姿勢と座り方
  2. 上手な食事介助と飲み込ませ方

食事の姿勢と座り方

 少し前屈みになるぐらいが飲み込みやすい姿勢です。
終日、ほとんどベッド上の方も、食事の時は体を起こしましょう。飲み込みがよくなるばかりではな、食事を見て楽しめる、家族と顔を合わせて会話ができる、など、生きる元気も楽しみも出てきます。
テーブルと椅子/車椅子を利用の方
  1. 少し前屈み。
  2. 背は90度。
  3. 足は床(フットステップ)にぴったり。
  4. 体とテーブルの間に握りこぶし1つぐらいのすき間。
  5. 椅子の座面の高さ
    膝が90度に曲がるくらい。
  6. テーブルの高さ
    腕を乗せて肘が90度に曲がるくらい。
食事の姿勢と座り方/テーブル

 

リクライニング車椅子を利用の方
  1. 背もたれは45〜60度。
  2. 首が後ろに反らないように頭にクッション。
  3. 膝は90度。
  4. 足はフットステップにぴったり。
食事の姿勢と座り方/車椅子

ベッドの上の方

  1. 背もたれは45〜60度。
  2. 首が後ろに反らないように頭にクッション。
  3. 腰はベッドの折れ目にきっちり。
  4. 膝は軽く曲げた状態。ベッドの折れ目に合わせるか、膝下にクッション。
  5. 足がずり下がらないように足の裏にぴったりクッション。
食事の姿勢と座り方/ベッド

上手な食事介助

 介助で気を付けなければならないのは、介助で食事をするときも、できるところは本人に、できないところを手伝うという介助の基本を忘れないでください。

 

上手な食事介助

 

 ゆったりとした時間と空間の中で、介助者も介助される人も余裕を持って、食事をおいしくいただきましょう。

日本介護食品協議会

 このページをダウンロードしてお読みいただけます。(PDFデータ:645KB)
 
和光堂の口腔ケア製品
和光堂の高齢者向け食品

ページの先頭へ 水の話 加齢に伴う変化 栄養と食事 口腔ケア