SKIN CARE FOR BABIES 知りたい!赤ちゃんのスキンケア

みずみずしくてプルプルに見える赤ちゃんのお肌。

赤ちゃんのスキンケア

赤ちゃんのスキンケア

赤ちゃんの肌は大人よりも薄く、肌の表面の水分を保持する力や、外からの異物の侵入を防ぐためのバリア機能が大人よりも未熟です。汚れたまま放っておくと汚れが刺激となって肌にトラブルを起こしたり、洗ったあとにすぐ保湿してあげないと肌の水分が奪われてしまって、乾燥しやすくなります。乾燥すると肌の表面の角質層がはがれやすくなり、さらにバリア機能が落ちてしまいます。ですから、赤ちゃんの肌は「清潔にして」「保湿する」スキンケアが大切なのです。

◎基本は清潔!
赤ちゃんの肌を「清潔にする」のは、毎日お風呂にいれてあげたり、授乳や食事でお顔が汚れたらすぐ拭いてあげたり、おむつ替えをこまめにしてあげるということで、みなさんが日常的にされていることだと思います。
お風呂にいれる際は、ベビーソープなどをよく泡立ててやさしくママやパパの手で洗ってあげてください。スポンジやガーゼなどを使うと、どうしても肌の表面をこすって傷つけてしまいます。ママが自分の洗顔をするイメージで、たっぷりの泡でやさしくなでるように洗えば、汚れは十分落ちます。授乳や食事の後のお口の周りや、おむつ替えの際のおしりを拭くときも、水分たっぷりのウェットティシュでこすらないようにやさしくおさえながら拭き取るようにしてあげましょう。
◎生まれたときから保湿が必要
清潔にした後は乾燥しないようにベビーローションなどで「保湿」してあげてください。お風呂上がりに赤ちゃんの体を拭いたら、なるべく間を置かずに全身にローションを塗ってあげましょう。お風呂の後だけでなく、授乳・食事の後やおむつ替えの後も、赤ちゃんの顔やおしりを拭くと保湿剤も落ちてしまうので、拭いた箇所にローションを塗ってあげましょう。
赤ちゃんは羊水の中から空気中に出てきた瞬間から乾燥の危機にさらされているので、生まれてからすぐ「清潔・保湿」のスキンケアを始めてください。生まれた直後から頭皮、顔以外の部分は皮脂成分が少なく乾燥しがちです。急激に皮脂の分泌が減って一層乾燥しやすくなりますので、肌トラブルを起こす前からスキンケアを習慣にしておくことが大切です。

保湿の手順

保湿の手順

  • @おなか バスタオルなどに赤ちゃんを寝かせて、ママやパパの手にたっぷりとベビーローションを取り、手のひらで温めるようにのばしたら、赤ちゃんのおなか全体をやさしくなでるように塗ってあげます。
  • A腕 ベビーローションをたっぷりのばしたママやパパの手で、赤ちゃんの腕を片方ずつ、やさしくくるむように塗ります。肘の内側や脇の下のくびれ部分も忘れずに。
  • B脚 腕と同様にママやパパの手で、赤ちゃんの脚を片方ずつ、やさしくくるむように塗ります。足首や膝の内側、ももの付け根のくびれ部分も忘れずに。
  • C背中 赤ちゃんを横向きにして体を支えて、体を支えているのと反対の手にローションをのばして、背中全体をやさしくなでるように塗ります。首の付け根のくびれ部分にも塗ってあげましょう。
  • D顔 お顔全体は特にやさしくこすらないようにつけてあげましょう。耳にもローションを塗ってあげてください。

赤ちゃんの身体と保湿箇所

◎UVケアはなぜ必要?
夏の強い日射しを浴びると,真っ赤に腫れたり水膨れになったりするやけどになるためUVケアが必要なことはみなさんもご存知かと思います。それだけでなく、紫外線は免疫力を低下させたり、長期間紫外線を浴びることで、将来シミやシワができやすくなるため、子どもの頃からのUVケアが必要です。
赤ちゃんを外で遊ばせることも大事なので、紫外線が強い時期はベビーカーの日よけを使って直射日光を避けたり、帽子や長袖の衣類を着けたり、長時間、日のあたるところにでないなどを心がけましょう。肌が露出する箇所にはベビー用の日やけ止めを塗るとよいでしょう。

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赤ちゃんのスキンケア

赤ちゃんのスキンケア

Q:赤ちゃんに保湿剤はまだ早いのでは?余計なものはあまりつけたくないけれど?
赤ちゃんは羊水の中から空気中に出てきた瞬間から乾燥の危機にさらされているので、生まれてすぐから保湿した方がいいです。生まれた直後から頭皮、顔以外の部分は皮脂分泌が少なく乾燥しがちです。急激に皮脂の分泌が減って一層乾燥しやすくなりますので、肌トラブルを起こす前からスキンケアを習慣にしておくことが大切です。保湿剤は「余計なもの」ではなく「必要なもの」なのです。肌にトラブルがおきてからするのはスキンケアでなく「治療」です。ママが毎日洗顔して化粧水などをつけるのと同様に、赤ちゃんのスキンケアも日頃から行うことが大事です。
Q:保湿はお風呂上がりだけでいい?
お風呂の後だけでなく、授乳・食事の後やおむつ替えの後も、赤ちゃんの顔やおしりをウェットティシュなどで拭くと保湿剤も落ちてしまうので、拭いた箇所にローションを塗ってあげましょう。ベビー用の乳液やクリームは少ない量だと塗るときにママやパパの手と摩擦がおきてしまうので、スルッと塗れるようにたっぷり塗ってあげて大丈夫です。
Q:肌に湿疹などがあるときは保湿剤は使わない方がいい?
保湿剤は基本的には健康な肌に使うものなので、湿疹の部分は避けるようにしてください。症状にもよるので、主治医の先生の指示に従ってください。
Q:夏も保湿したほうがいいですか?
夏は汗で肌がしっとりしているように感じますが、エアコンなどで乾燥しやすい時期でもありますので、ママが夏でも化粧水などをつけるのと同様に、夏でも保湿はもちろんした方がいいです。冬よりは乾燥は少ないので、夏は乳液タイプのローション、冬はクリームなど、保湿剤を使い分けるとよいでしょう。
Q:日やけ止めも生まれてすぐから使える?
赤ちゃんは大人よりも肌が薄くバリア機能が弱いため、外出などの際は紫外線の影響を受けやすいので、日やけ止めを塗ってあげた方がいいです。ただし、日やけ止めは赤ちゃんの肌に刺激となることがあるため、肌にトラブルがないか確かめてから使いましょう。最初は一部分にぬって、かぶれたりしないか試してみることも忘れずに。
Q:冬も日焼け止めを塗ったほうがいいですか?
冬でも紫外線は降り注いでいますが、夏ほど量は多くありません。また、冬は衣服で肌が隠れていると思いますので、とてもお天気のよい日に長時間(30分以上)外で遊ぶ場合などに、顔だけ塗ってあげるとよいでしょう。

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Q:赤ちゃんに肌トラブルが起きたらすぐ小児科にいった方がいい?
赤ちゃんに熱もなく、食欲もあり、いつも通り元気で、皮膚だけに異常があるときは、皮膚の病気と考えられますので、皮膚科を受診しましょう。赤ちゃんの肌が赤くなったり、赤いぼつぼつができたり、かゆがっている様子があるときは、すでに肌が炎症をおこしてしまっているでので、外用薬をもらうなどして、炎症を早くおさえることが必要です。しかし、肌トラブルだけでなく熱があったり、食欲が落ちたり、機嫌が悪く、いつもより元気がないようなら、風邪などの時のかかりつけの小児科の先生にまず診ていただき、その上で皮膚科にもかかった方が良いと勧められたら皮膚科も受診してください。
Q:おむつかぶれを防ぐにはどうしたらいい?
おむつかぶれを防ぐには、長い時間尿や便がおしりに付着したままにならないように、また蒸れないようにするためにも、こまめにおむつ替えをすることが一番大切です。また、おむつ替えの際はできるだけこすらないように、水分を多く含むおしりふきなどで、流し落とすイメージでやさしく拭いてあげます。拭いたり洗ったりした後は、きちんと乾かして毎回、保湿剤をつけましょう。
Q:おむつかぶれになってしまったらどうしたらいい?
おむつの種類を替えてみたり、赤みが強かったりブツブツができてしまった場合には、皮膚科を受診して外用薬を処方してもらってください。
Q:乳児脂漏性湿疹を防ぐにはどうしたらいい?
乳児脂漏性湿疹は生後1〜2か月以内で皮脂の分泌が多い頃の赤ちゃんによく見られる症状です。頭皮やおでこ、眉毛などに皮脂が固まってできるものなので、基本は清潔を心がけて毎日お風呂で頭や全身を、ベビーシャンプーやベビーソープできれいに洗うことが効果的です。
Q:乳児脂漏性湿疹になってしまったらどうしたらいい?
眉毛などに皮脂が固まって着いていたら、まずはお風呂の時にベビーソープの泡できれいに洗ってあげることが一番大切です。かさぶたのような塊ができてしまった場合は、入浴30分くらい前にオリーブオイルなどでふやけさせてから、泡立てたベビーソープでしっかり洗います。洗った後は皮脂が落ちすぎてバリア機能が弱くなっているので、乳液やワセリンなどで、保湿をしてあげることも忘れずに。2〜3週間経っても改善されなかったり、かゆがったりする場合は、一度皮膚科を受診してみるとよいでしょう。
Q:あせもを防ぐにはどうしたらいい?
赤ちゃんが汗をかいたらこまめに着替えさせたり、濡れたタオルで押し拭きしたり、シャワーを浴びさせるなど、汗を皮膚に長い時間留めないようにするのが一番です。その後は、夏でも油分の少ないローションなどできちんと保湿をしましょう。汗をかいている瞬間は潤っていますが、汗は一時的なものなので、乾くとすぐに肌は乾燥してしまいます。
Q:あせもになってしまったらどうしたらいい?
あせもができてしまった場合は、かきむしって細菌が感染して、とびひになったりすることもあるので、皮膚科に早めに受診しましょう。

監修:馬場直子 プロフィール
1983年滋賀医科大学医学部卒業、横浜市立大学皮膚科へ入局、横須賀共済病院皮膚科勤務、横浜市立大学皮膚科講師を経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科部長。2015年より横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼任。専門分野:小児アトピー性皮膚炎、母斑、血管腫、皮膚感染症など小児皮膚科全般 私のモットー:お母さんの良き相談相手になること