赤ちゃんの五感を刺激するために、特別な習い事などは必要ありません。
ママやパパが日々のコミュニケーションや遊びの中で、赤ちゃんの成長に合わせて意識して接してあげればよいのです。
大事なのはママやパパが楽しんで、笑顔で接すること。
簡単ですぐできる方法を月齢別にご紹介します。
目を離さず、お子さまのそばについて
安全面に注意して遊びましょう。
物をつかんでみたくなる時期です。
適当な大きさに切った新聞紙を、
大人が「ぐしゃぐしゃ!」と言いながら、
楽しそうに丸めて見せてあげます。
すると、赤ちゃんもまねしたくなって、
一緒にぐしゃぐしゃ!破ってもちぎってもOKです。
上の「新聞ぐしゃぐしゃ」で丸めてボール状にしたものを、
「ポーン」と言いながら赤ちゃんの方に投げます。
まだ受けることはできないので、赤ちゃんの体に軽く当てるように。
それを一緒にまねさせてみます。
普通のボールより柔らかくつかみやすいので安全です。
赤ちゃんは生まれる前から聞いているママの声や歌が大好き。
6か月頃から音や音階に敏感になってきます。
ママが楽しそうに、
大きな口を開けて、はっきりした発音で歌を歌ってあげるだけで、
脳のシナプスの結びつきが活発に。
ポイントは、マイクのようなものを持って歌うこと。
赤ちゃんがまねしたくなります。
はいはいは足腰の強化と歩くための脳の発達に大事な
ステップなのでたくさんさせたいものです。
はいはいができるようになったら、
大人も一緒にはいはいして追いかけっこしてみましょう。
「待てー」と言いながらはいはいで追いかけると、
楽しくて喜びながら逃げていきます。
しばらくしたら
「つかまえた!」とやさしく抱きしめてあげましょう。
物をつまめるようになり、右手から左手などに移動させることが
できる時期。
洗濯物をたたむときにお手伝い感覚で、靴下など
つまめる大きさのもので遊んでみましょう。
「○○ちゃんの靴下どこかな?」と探し遊びしたり、大人から
「はい、どうぞ」と渡してあげて、次に「ちょうだい」と、
赤ちゃんから大人に渡せるように語りかけてみてください。
上手にまねできて渡せたら「ありがとう!」を忘れずに。
まだ話せなくても、言葉を覚えていく時期。
意味のない言葉でも大人の口の動きをじっと見ることで、発声の仕方を
覚えていきます。向き合って目と目を合わせてから、「赤パジャマ、
青パジャマ、黄パジャマ!」など、早口言葉を大きな口を開けて
聞かせてあげましょう。
「マ」「パ」「バ」など、唇を閉じてから
発音する音がまねしやすい音です。
話している大人の唇に子どもの手を当てさせるとさらに良いですよ。
1歳を過ぎると大人のまねを何でもしたがります。
そこを逆手にとって、日常の家事で安全なお掃除を
一緒にしてみましょう。フロアーシートなどを触りたがったら
「お手伝いしてくれるの?」と声をかけると、喜んで大人のまねを
して雑巾がけをしてくれます。手伝ってくれたら
「ありがとう!」と笑顔で感謝の気持ちを伝えましょう。
1歳になると歩き始める子もいたり、体がしっかりしてきます。
そうなったら、大人に肩車してもらったり、「高い高い」をしても大丈夫。
あんよもうれしいですが、いつも低い位置で物を見ているので、
高い場所から見下ろせる喜びが味わえます。
自然の中には、五感を刺激してくれるものが
たくさんあります。
季節ごとの草花の彩りや香り、草や土の手触り、
鳥や虫の鳴き声や、川の流れる音など、
子どもが興味を示すもので溢れています。
1歳を過ぎると免疫力がついてくるので、
積極的に公園などに出かけてみましょう。
小児科医。発達脳科学者。
文教大学教育学部特別支援教育専修教授。
文部科学省「リズム遊びで早起き元気脳」実行委員長。
子育てを応援する専門家による「子育て科学アクシス」を主宰。